〜築120年の趣(おもむき)を未来へ繋ぐ〜 和室を暖かく快適な寝室へリフォーム

「築120年の趣」歴史ある住まいに現代の快適性を

リフォームの情報

所在地宮城県栗原市
築年数約120年
リフォーム内容1 部屋リフォーム(和室からフローリング寝室へ)
工事期間約50日
仕様・性能値等換気システム:第一種熱交換換気システム

今回の
リフォームの特長

築120年超、曳家* で大切に保存された宮城県栗原市の住宅。

冬の寒さ対策と歴史的な建物の維持という課題に対し、既存構造を活かした断熱・気密化で応えました。快適性と価値の融合が特長です。

※曳家(ひきや)とは、建物を解体せずに、そのまま別の場所へ移動させる工法です。

現地調査の様子

現地調査の様子

菅原建業所の
技術力(ワザ)

築120年を超える歴史的建造物の改修には、建物の構造や特性を理解した知識と技術が必要です。

この建物は、37年前に前面道路の拡幅工事により建物のセットバックが必要となった際、弊社と協力業者によって曳家を行い移動・保存された建物です。

通常、セットバックが求められる場合は、助成金を活用して建替えや減築が行われることが多く、曳家を行ってまで建物を残されるケースは、比較的珍しいと言えます。

さらに、この家屋は宮城県沖地震や東日本大震災といった大きな災害も乗り越え、現在も家主様によって大切に保存・活用されています。

こうした背景を持つ本物件は、単なる住宅としてだけでなく、歴史的にも価値ある建築物としての魅力を備えていると考えます。

これらを踏まえ、今回のリフォームでは、建物の歴史ある雰囲気や佇まいを大切にしながら、もともとの柱や梁をできるだけ活かすよう、丁寧にプランを組み立てました。

その一方で、断熱性や気密性の確保、そして第一種熱交換換気システムの導入など、現代の暮らしに求められる快適性もしっかりと取り入れています。

先人が丁寧に残してくれた歴史を次につなげられるように、なおかつ今の暮らしにちょうどいい住まいへ。
そんな思いで進めたリフォームです。

リフォーム【前】・その1
リフォーム【後】・その1
リフォーム【前】・その2
リフォーム【後】・その2

曳家によって残された大切な建物の、新たな一歩

今回のご依頼は、その曳家を行った部分の和室を、現代のライフスタイルに合ったフローリング寝室へリフォームするというものでした。

床組みを解体した様子・その1
床組みを解体した様子・その2

床組みを解体した様子

建物の木構造は当時のままですが、基礎部分は曳家をした際に打設したためべた基礎になっています。

お客様のご要望の実現に向けて

建物のご要望
機能のご要望
  • 断熱性能を高めながらも、室内は明るく快適な空間にしたい
  • 歴史的な建物の趣を損なわず、既存の躯体(くたい)を活かしたい
  • 冬は暖かく夏は涼しい、冷暖房の効率を良くしたい
  • クローゼット収納と、既存のタンスが収まるスペースが必要

これらのご要望を実現するため、断熱・気密・採光に配慮したリフォーム設計を行いました。

ヒートショック対策も

近年、冬場の急激な温度変化によるヒートショックが社会的な問題となっていますが、特に古いお住まいでは隙間も多く、暖房の効いた部屋と寒い廊下など、家の中の温度差が大きくなりがちです。

最新の断熱改修で寝室の温熱環境を改善し、一年中快適で、ヒートショックの心配も少ない安心な空間の実現を目指しました。

施工のポイント・その1

1.躯体(くたい)を活かしながら快適性を向上

インプラスサッシを設置

既存の構造を壊さず、
柱や梁をそのまま活かしました

躯体(くたい)※1 を活かし築120年の風合いを保ちつつ、壁には断熱材を充填。

さらに、内壁側にはインプラスサッシ※2 を設置することで、外気の影響を最小限に抑えながらも自然光を取り入れられるよう工夫しました。

※1 躯体(くたい)とは、建築物全体を構造的に支える骨組み部分のことです。

※2 インプラスサッシは、二重窓で断熱・防音効果を高め、結露を抑制します。

2.素材選びとデザインへのこだわり

建物は約 960mm のモジュールで構成されており、設計段階で材料の無駄が出ないように寸法や組み合わせを検討。隣接する和室と雰囲気を損なわないよう、素材の再利用や色味・質感にも配慮しました。

素材選びとデザインへのこだわり

既存和室側から
見たリフォーム後の寝室
です

ご要望の明るさを尊重し、畳と漆喰の色に合わせた素材を選びました。

珪藻土クロスを施工

壁と天井の仕上げは
珪藻土クロスを施工しました

改修しない隣の和室と程よく馴染み、調湿効果もあり、快適な睡眠をサポートします。

欄間を再利用

歴史ある欄間を再利用しました

断熱材を充填するため既存の欄間は一度取り外し、寝室側に壁をふかして* から再度設置。当時の物をできるだけ活かし、再利用を心がけました。

※壁をふかすとは、壁の仕上げ面を所定の位置よりも前に出す、または厚くする施工です。

3.高性能な建具と換気設備

3ヶ所ある出入口には断熱材を内蔵した建具を使用し、モヘアテープにより隙間風を軽減。

さらに、天井埋込型の第一種熱交換換気システムを導入し、室内の空気を常に新鮮に保ちながらも、室温を逃さない省エネ設計としました。

3 ヶ所ある出入口には断熱材を内蔵した建具を使用

モヘアテープを使い
隙間風を軽減しました

第一種熱交換換気システム

天井埋込型の
第一種熱交換換気システムです

施工のポイント・その2

壁掛けテレビを導入

壁掛けテレビ

お客様にテレビと壁掛け用金物を購入いただき、
弊社にて取付しました

クローゼット収納

クローゼット・その1
クローゼット・その2
クローゼット・その3

クローゼットをふたつに分けて設置しました。折れ戸の中にパイプ付き収納棚を設置したシンプルな作りです。

違和感が無いようにタンスを設置

タンスを設置
転倒防止のポール

タンスの寸法に合わせてなるべく無駄のないようにサイズを決定しました。

タンス設置後に転倒防止のポールも設置しています。

現代との融合

現代との融合・その1
現代との融合・その2

リフォームした寝室と畳、
畳部分は既存の和室です

珪藻土クロスと畳の色とトーンを合わせた建具が既存部分と美しく調和します。奥の障子から和紙を通して入る光は、何物にも代えがたい美しさがあります。

おわりに

築120年という歴史的背景を尊重しながら、現代の快適性・機能性を備えた空間へと生まれ変わった本リフォーム。

寒さの厳しい地域でも室温が安定し、特に就寝・起床時の急な温度変化の緩和を実現。ヒートショックのリスク軽減にも繋がり、安心して心地よく過ごせる寝室が完成しました。

リフォーム【前】・その1
リフォーム【後】・その1

リフォーム【前】・その2
リフォーム【後】・その2

出入りが少しでも楽になりますように

外階段

外への出入りが多いとのことで、外階段を作成しました!

リフォームにも
補助金が使えます

補助金活用リフォーム

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